「20祭」in 池袋シネマ・ロサ

 池袋シネマ・ロサで開催された「20祭」へ行ってきた。

 オフィス桐生の20周年企画で、「20」をテーマにした実写映画のコンペ。

 3つだった受賞枠はひとつ増え、制作された4作品が上映された。オフィス桐生の手がけた「馬の骨」と「ディアーディアー」のリバイバル上映も。


 いつ観に行こうかと思っていたところ、トークショー土師野隆之介さんが出演されるとのことだったので初日に行くことに。

 土師野隆之介さんは「ロボット修理人のAi(愛)」を観て注目していた。

 そんな経緯もあり、まずは2作品目の「ツチノコの蒲焼き」のことから。脚本は桝本力丸さん、監督は井上優斗さん。

 私はツチノコが話題になった当時を知っている世代なので懐かしく思った。若い世代で認知してるひとはどのくらいいるんだろう…。
 土師野さん演じる猿島はあっけらかんと明るくてしゃべり方も面白いけれども、なんだかちょっとワケアリな印象。
 飛葉大樹さん演じる成尾は抱えてるものがあり、それは猿島よりも一般的なものなので観客の視点としてはこちらになるのかな。
 息の白さをみるに、とにかく寒そう。このあたりはトークショーでの話に出てきて、ほかの作品も寒い時期に撮影されていたとのことだった。

 帰ってきてから検索していて、クラウドファンディングに参加していた「映画(窒息)」に飛葉大樹さんが出演されていることに気づいた[;´∀`]。

 1作品目の「Smoky-Story」。脚本は安藤圭吾さん、監督は粟井モネさん。
 タバコを題材にするのは、昨今の状況を考えると挑戦的だなぁと。私は吸わないので、ひと箱に入っているのが20本だということもたぶんそうかな…程度で。
 娘ちゃんの言葉は本心ではないとしても、どきりとさせられた。自分がいかに幸せなのか…ということになかなか気づけない年頃なんだろかね。
 登場人物たちの心の動きが私にはうまく受け取れなくてもどかしかったな…。黒いひとのその後が気になった。
 音楽の力はやはり大きい。このあたりは映像作品の有利なところでもある。

 3作品目の「二十才の夜」。脚本・監督は平田雄己さん。
 みせるものとみせないもののバランスがよいというか。頭の中で物語を組み上げてゆくのが楽しかった。前田旺志郎さん演じる青嶋の立ち位置に共感。
 ひとけのない夜の町中は好みの映像なんだよなぁ。ゆるい下り坂のとことか特に。
 とあるスポーツは最初違うものだったとトークショーで前田さんが話されてた。変更されてよかったんじゃないかと。

 4作品目の「春の結晶」。脚本・監督は安川徳寛さん。
 おっさんなりに女子高生の心の内や距離感などを考えながら観てた。
 ラストシーンは余韻があって好ましく、あの1枚はどうしたのかな…などと想像するのも楽しい。
 出てくるひとが多かったり学校以外の施設も多く出てきていたので、そのあたりもたいへんだったのかなぁと。

 「二十才の夜」と「春の結晶」は男性と女性の学校まわりのお話で、対になっているような印象を受けた。ひとは変わりゆくものではあるけれども…。


 もう一度観ておきたかったので最終日にも行ってきた。

 「Smoky-Story」はやっぱり黒いひとが気になるなぁ。ひと恋しいのかな?…とかわいさを感じつつも、行動は褒められたものではない。

 「ツチノコの蒲焼き」は猿島のしゃべり方にはニヨニヨしてしまうな[´ω`]。またいつか会えるといいね。

 「二十才の夜」は振り返るかどうか…というのも好きなシーンで。自分は自分でほかのひとにはなれないんだよね。

 「春の結晶」は璃子と優花はおそろいの靴下で、それはどちらからでもなく自然とだったのかな…。優花はいろいろと察してたのかもなぁ…。


 「馬の骨」と「ディアーディアー」のリバイバル上映も観に行ってきた。

 「馬の骨」を劇場で観るのは5年ぶりで、最後に観たのはシネマテークたかさきでだった。

 ライブシーンはもちろん、音楽を意識したシーンや地響きの音などがよい音響で聴けるのは嬉しかったな[´ω`]。
 終演後にパンフレットにサインをいただいた。読み応えあるんだよなぁ。何冊目だろう…。

 トークショー小島藤子さんが呼ばれたあと深澤大河さんが呼ばれないというお約束の茶番からはじまり、撮影当時のことや近況を聞かせてもらえた。
 深澤さんは4年ぶりに会う小島さんに対して最初敬語だったとかw。3人のゆるっとした雰囲気のやりとりが懐かしかったなぁ[´~`]。

 4年前のDVD発売記念イベントにも行っていた。

 菊地健雄さんを追うようになったのは「ハローグッバイ」からで、「ディアーディアー」を劇場で観るのははじめて。
 解放されたときの穏やか表情がよいなぁ…。4:3の画面比率には懐かしさを感じる世代。ゆっくりエンドロールも好ましい。

 私は後追いだったので、染谷将太さんデザインのTシャツが入手できたうえに着て観ることができてほんと有り難かった[´ω`]。

 5年前に「馬の骨」を観にテアトル新宿に通いつめていたとき、桐生さんのお気づかいでいただいた「ディアーディアー」のクリアファイルがこんなことになろうとは…。
 主演の桐生コウジさん、脚本の杉原憲明さん、もしかしていらっしゃるかな…と思っていた監督の菊地健雄さん、そしてまさかの編集の山崎梓さんまで…。

 さっそく額を買ってきた。

 テアトル新宿に通いつめていた5年前の日記はこちら>


 開催直前に劇場の設備トラブルのため上映時間が変更になったりしたけれども、無事完走できてなによりでした。
 楽しいお祭りだったなぁ…。関係者のみなさまお疲れさま、そしてありがとう[´∀`]。