「ラーゼフォン 多元変奏曲」

 下野紘が主演ということで観てみた。TVシリーズはあまりにも「エヴァンゲリオン」に近いものを感じたために断片的に何度か観た程度。聞くところによると結末が違っているらしい。劇場版については主に人間関係について描かれていたため、TVシリーズほど「エヴァンゲリオン」的なものは感じられず、思いのほか楽しめた。綾人は遙を本当に愛していたのか、というところは疑問の残るところだけども、それはそれで今日的なリアルさなのかもしれない。

 前に読んだ出渕裕のインタビューに「『エヴァンゲリオン』は『ウルトラマン』、『ラーゼフォン』は『ライディーン』」というようなことが書かれていたように記憶している。今回観てそのあたりは納得できた。「ラーゼフォン」は出渕裕の"エヴァンゲリオン的なもの"なのかもしれないけれども、やはり二番煎じ感は否めない。先に「ラーゼフォン」をみたひとは「エヴァンゲリオン」をどうみるのだろうか。

 下野紘の演技は雰囲気があると思う。「場」を作り出す雰囲気は役者にとって大切なことなんじゃないかな。