映画「ロボット修理人のAi(愛)」上映開始

 7月10日(土)に新宿のケイズシネマで上映がはじまった映画「ロボット修理人のAi(愛)」。初日、2日目と観に行ってきた。

 レポートの前に、この作品を観るまでの経緯を記しておこうかと。


 田中じゅうこうさんの作品にはじめて触れたのは2015年に公開された映画「道しるべ」で、知るきっかけは主演の金谷ヒデユキさんを追っていて>

 2016年に金谷さんの地元である群馬県の高崎電気館で開催された「道しるべ」の上映会で舞台挨拶があり、田中さんより「金谷さん主演で映画の企画がある」とのお話が。その企画が「ロボット修理人のAi(愛)」だった>

 2018年の11月より開始されたクラウドファンディングに参加。初期の目標金額は達成できたけれど、資金集めについてはたいへんだったのではないかと…。

 コロナの影響もあって延期が続き、おととい待ちに待った上映開始となった。改めまして、おめでとうごさいます!。


 初日は晴天、2日目は薄曇りながら晴れ間も出るという好天。両日とも新宿へは早いめに着いてしまったので新宿御苑のあたりを散策。道路沿いの無料開放されている並木道は木陰が涼しく、時間調整に歩くにはちょうどよかった。

 両日とも満席とのことで劇場へは開場の数分前に入り、上映後はパンフレットを購入するくらいで即離脱。関係者へのお声がけをしたかったけれども、こんなご時世なので控えることに…。

 初日の舞台挨拶に出演されたのは土師野隆之介さん、緒川佳波さん、大村崑さん、金谷ヒデユキさん、田中じゅうこうさん。

 土師野さんと緒川さんはほんと初々しかったなぁ。特に土師野さんは背も伸びて発声も大人っぽくなってきていたし。

 大村崑さんのお元気っぷりには驚かされたなぁ。今年の11月で90歳というのが信じられない[;°ω°]。

 金谷さんからは田中さんの映画に対する情熱についてのお話が。熱くなりすぎてAIBOの動きにダメ出しをされたそうな。

 田中さんからは資金集めや撮影でのトラブルはたいへんだったけれど、待つことによって状況がよくなる場面もあったそうで。土師野さんが顔を虫に刺されて腫れてしまって撮影が延期になり、おかげで榛名湖でよい景色が撮れたというお話も。


 2日目の舞台挨拶に出演されたのは岡村洋一さん、野口大輔さん、水沢有美さん、丸山ひでみさん、田中じゅうこうさん。

 岡村さんが田中さんから最初に映画への出演について電話をもらったとき「船舶免許持ってる?」という唐突さだったそうで。その後、岡村さんは免許を取得して劇中で実際に船を操縦。岡村さんの情熱もかなりのものかと。

 野口大輔さんはこの作品のパイロット版に出演されていて、主演の土師野さんに続いてのキャスティングだったとのこと。群馬の新聞社から田中さんへ取材があったとき、担当されたのが野口さんのお父様だったというご縁も。

 水沢有美さんからはアパートの大家さんのほかにも出演されているところがあるというお話が。これはまた観に行かないと。

 丸山ひでみさんは大空眞弓さんとAIBOと一緒に演じられていて涙ぐんでしまったそうな。大空さんとAIBOのやりとりにはウルっときたなぁ[;~;]。

 田中さんからは登場人物たちの関係性についていくつか。パンフレットの人物相関図をみて驚いたし、解釈もまだしっかりできていない。これはまた観に行かないと。

 ケイズシネマでの上映は7月23日(金)まで。毎日トークショーつきなので、まだのひともリピートのひともぜひに!。

 7月12日(月)現在の上映予定劇場。詳細は各劇場のページを参照ください。


 映画の内容についてはあまり書けないんだけれども、受け止め方や解釈の仕方はそれぞれでよいと思うし、制作者の意図でもあるのではないかなぁと。

 私には前作にあたる「道しるべ」とのつながりもあるので、出演者についてはそのあたりから書いてゆこうかと。

 まずは金谷ヒデユキさん。金谷さんのイメージというと多くのひとたちにとって"地獄のスナフキン"だと思うし、尖った濃ゆいキャラクターは好き嫌いが分かれるのではないかなぁと。そんなひとたちに役者としての金谷さんをみて欲しい。前作でもそうだったように、フラットで前に出てこない演技を私はとても好ましく思っている。

 続いて亮王さん。前作ではコワモテで怒鳴りちらしたりもしていたけれど、本作では荒っぽいながらも倫太郎に対してはとてもやさしい口調で、太鼓が得意などキャラクターの掘り下げも深かった。パンフレットの人物相関図には重要な記述があったりも。

 最後に岡村洋一さん。前作ではワンシーンのみの出演で、本作では亮王さんとのライバル的な関係になり出番も多い。上でも書いたとおり、ボート屋の経営者という役どころのため船舶免許を取得。倫太郎を心配するあまり喧嘩腰になってしまうのはあの件に関連しているからなのかな…。


 大村崑さんと大空眞弓さんの出演はとても大きかったなぁと。

 大村さんは舞台挨拶で話されていたとおり「らしさ」を出さず、静かな存在感がこの作品を包み込んでいる印象。

 大空さんのAIBOと戯れる姿にはウルっときたし、その存在感は物語終盤の展開を受け止めてゆくひととして自然に感じられた。


 子役から俳優へと脱皮してゆく土師野隆之介さん、自分をあまり出せない難しい役どころを演じられた緒川佳波さんはもちろん、物語がまわってゆくために必要な存在だった堀口聡さんの愛しさったら…。


 そしてAIBO。乗松伸幸さんに制作協力として参加していただけたのはほんとよかったなぁ。


 そうそう、昨年11月に先行配信されていたサントラが上映開始に合わせてCDも発売となり、ボーナストラックとして3曲追加収録されたとのこと。

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